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お気に入りのインターンシップ

大学卒の男女を合わせた就職率は一九六九年度以来最高の七九・六%で、男女差もぐっと縮まりました。
これは、女性の高学歴志向がいっそう強まく、社会進出が進んでいる状況を示しています。
このように昨今、企業の大卒女子に対する評価も次第に高くなり、一方、職業意識が男子に劣るといわれていた女子学生たちも、徐々にその意識が高まりつつあることは喜ばしいことと思っています。
国際婦人年を契機に、某百貨店の役員に女性が名をつらね、これがカンフル剤となって、企業にも女子社員に対する認識が深まく、男女雇用機会均等法の施行も、大卒女子にとってよき刺激となって、職業意識が喚起されつつあります。
そこで、過去の女子学生の就職戦線を振返りながら考えてみたいと思います。
事実、女子学生に対する企業からの求人も年ごとに増加しており、ことに一九八九年度は、前年度比三〇%強の増加を示しています。
各大学の催す「就職ガイダンス」にも熱意が見られ、「会社説明会」などにも積極的な発言が目立ち始めました。
このことは、私たち担当者にとっては、まことに喜ばしいことではありますが、全般的にはまだまだ需給にアンバランスが見られ、今後の課題となっています。
「はじめに」の項にも記しましたが、わが国の産業界を襲ったバブル経済の崩壊による景気後退のシワヨセが、女子学生にふりかかってきています。
昨年の就職戦線では、ほとんどの業種で大卒女子採用にブレーキがかかり、採用数が絞られました。
こうした「量から質へ」の企業姿勢の変化は、女子学生の仕事への積極的な取組意欲を強く求める結果となり、ことに、一般職希望の学生を直撃しました。
企業が発表する求人予定数なるものは、ありまでも予定で、結果は実にシビアなものでした。
売手市場の好況期には、その仕事が自分に合っているかどうかの見きわめをつける時間がないほどへ早く、複数の企業から内定されましたが、昨年は、職業観、就職意識、仕事志向、人生設計等が厳しく問われ、時間をかけた面談ですべてを評価の対象にされました。
いまだに捨て切れないイメージ志向、ブランド志向や自宅通勤を条件にする等々の意識では、とうてい内定の枠には程遠くよほど真面目に自分の能力、適性に合った企業を選ばなければ目的は達成できません。
女子学生を見ていますと、就職意識に三つのタイプがあることがわかります。
Aタイプは、男子と同じく、入学当初から職業に対して自分の考え方を持ち、学業を進めるにしたがってその方向づけをし、男子に伍して堂々と闘える頼もしいタイプで、このような学生には何の心配もせず、指導ができます。
積極性もあり、仕事に生きがいを感じようとする志望動機には、こちらが驚くくらいで、もちろん、企業もこのタイプの学生には引く手あまたです。
特徴としては、イメージ志向ではなり、”名”より”実”をとり、与えられるであろう仕事に情熱を燃やします。
一時的な腰かけ気分で職業を選ばないのは、すばらしいことです。
就職部としては、どこの大学も、このようなしっかりした就職理念を持った女子学生が、一人でも多くなるよう指導に力を入れていますが、まだまだ手ごたえは少ないようです。
やはり、いまの段階では「どんな仕事でもやります」という積極的な売り込みいかんが明暗を分けています。
私も、この”自分から悟った真剣さ”を女子学生に求め続けており、一昨年ごろからどうにか理解されるようになったと思います。
Bタイプは、必ずしも就職する必要はないけれど、どこかよい(どうせ結婚までの二、三年だから、格好のよいところへ行きたいというだいそれた望みの)会社があれば受けたいが、もしダメなら就職戦線から撤退するというタイプです。
このタイプが女子学生の多くの部分を占めているので、毎年苦しめられました。
この部類に属する学生の多くは、自己中心的であり、他の迷惑も考えず、世に大卒女子の不評をかもす原因をつくり出す根源になっています。
成績も比較的よく、環境ものんきで、違った意味の余裕があるので、よけいに始末に負えません。
まだまだ大卒女子を本格採用する企業が少ないうえに、学生に人気のあるのはほんのわずかな会社です。
そこへこのようないい加減な職業意識を持った暴走族が走り回るのですからたまったものではありません。
どうしても就職しなければならない、どうしても就職したいといった意識の高い学生の就職の席まで荒らすことになります。
なぜ大卒女子が企業に好まれないか、という理由の大半は、このような学生の入社前、入社後の言動が大きく影響していると思います。
これが大学生かと私たちを嘆かせ、企業に対してかけたご迷惑のおわびに行くのもこれらが原因です。
これでは、いくら企業のご理解を得てもかえって申しわけなり思えてなりません。
自分の就職を、自分と家族のための”就社”と思い込んでの職業意識は、家族にも問題があると思われます。
ことに母親が、娘の就職を有名大学から有名企業、という、結婚のパスポートか勲章と考え、自尊心と見栄のために娘の能力など無関係に”就社”を強制していることも見逃せません。
笛を吹く親も、それに乗って踊る子も非常識極まくなりエゴがむき出しに見えます。
このよくなことは自分自身の冒漕のみならず、その被害が長く後輩におよび、ひいては全大卒女子の汚名の源泉になっていることに深い反省を求めます。
こんな状態が続くと、大卒女子の受け入れを叫び続けながら、一方で自分の首をしめているようなもので、いつまでたっても進展は見られないでしょう。
Cタイプとは就職登録はするが、「縁故」を探して腰かけ就社をするというタイプで、男子に比べてこのグループはかなりいると思われますが自主的に提出する「内定届」では実数がつかみにくいのが実情です。
ここで留意すべきことは、縁故者に迷惑のかからないように細心の注意が必要である、ということです。
一方ですべての企業は、企業効率を上げるために、たえず社内の能率化・省力化を考、え、昨今、業務の機械化・自動化に積極的です。
考えようによると、それらの企業努力と機械化が、女子学生の就職窓口を狭き門にしているといえます。
一九八六年度から、男女雇用機会均等法が施行され、Aタイプのほうには大きくプラスになったと思われますが、B・Cタイプの学生には、むしろ、いっそう厳しくなったと受けとめるべきです。
雇用均等法施行初年度(一九八六年度)の実態を振り返りますと、企業にも学生にも少なからぬとまどいが見られました。
企業は女子の採用については、以前からかなり前向きの姿勢を持っていたとはいえ、女子の職場の確保に苦悩したと同時に、他社の動きに注目しました。
また、女子を採用した場合、与えようとしている職務を実際に遂行していく能力があるかどうか、責任ある仕事を与えても勤務年限が短い二、三年で退職するのではないか等々の心配があったようです。
今後、企業は時代の要請にこたえて、急ぎ、社内職種の見直しを図り、女子の受け皿づくりをすべきだと思います。
能力による採用を心がけてほしいと望んでいます。
また、学生側のとまどいは、雇用均等法の意図を誤解したことにあるようです。
募集と採用に男女の区別がなりなったことで、あたかも1様に窓口が広がったと錯覚し、就職が楽にできると思い込んだ短絡思考がありました。

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